※本記事は,2部構成+おまけとなっております。本記事はpart1です。

【全記事お品書き】
・はじめに
・0章 注意点及び前提条件
・1章 パフォーマンスの定義づけ
・2章 集中力の定義づけ
・3章 集中力を向上させる要素

・4章 具体的なメンタルトレーニング及び、生活環境の改善
・おわりに
・おまけ

~はじめに~

今回は初の試み。
eSports、特にデジタルカードゲーム(以下DCGと表記)における「パフォーマンス向上を図るには、どうすればいいか?」という内容を考察していきます。


さて、いきなりですが質問します。
皆様がシャドウバースをプレイする理由は,何ですか?
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恐らくなのですが、「他者との戦いで勝つことが嬉しいから」といった意見が大半だと思います。それを実現するために、本記事を開かれた方は多いのではないでしょうか?

当然ですが、
パフォーマンスが上がれ勝利につながります
それが大会などの賞金がかかわる舞台であるなら、お金が稼げます。ついでに知名度が上がって有名になれます。よって、基本良いことが多いはずです。
(有名税が高くなる、発言に気を付けなければならないというデメリットもあるんですが、まあそれは無視しましょう(-_-メ))


さて、皆様に再度質問をします。
シャドウバースのみならず、カードゲームに強くなる方法を、具体的に3個程度上げてみてください。
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恐らくなのですが、「とにかく練習をする」「上手い人の配信を見る」「プレイを見直す」などの考えが浮かばれたことでしょう。当然これらは必要な事です。


ただ、プレイの質を上げる方法は、もっとたくさんあります。あまりにも多すぎたため、partごとに分けなければ書ききれない位です。


例えばです。
ランクマッチで負けが続いた時,怒りでプレイが雑になる方がいるとします。
そんなときに,どのようにして心を鎮めるのでしょうか

例えばです。
RAGEという大舞台は長時間の対戦を強いられます
では,その長時間の対戦を通して,集中力を持続させる具体的な方法を今すぐに思いつくでしょうか?



そのような内容を,本記事で掘り下げます。

なお今回は、筆者が最も必要であると考える「メンタルトレーニング」的切り口で「パフォーマンスの向上」を考察します。

では、参りましょう。
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~0章 注意点及び前提条件~
①注意点
・基本的に、サイニーなどに掲載されている学術論文を踏まえて考察を行います。
・筆者は心理学をある程度勉強していましたが、資格などは持っていないので素人です。よって間違った主張を行う可能性があります。ご注意を。
自身の内面を掘り下げる手続きがあります。よって人によってはしんどくなったりします。そのような状態になった場合は、読むのを中止してください
・また、本記事によって逆にプレイに乱れが出る可能性が否定できません。そのような場合は、この記事の内容を無視してください
べての内容を実践する必要があるか微妙です。筆者としては一通り試していただきたいのですが、時間の都合などもあるでしょう。使えると思った部分だけでも実践していただけるとありがたいです。
・参考文献は、緑色でリンク付けしております。
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~1章 パフォーマンスの定義づけ~
さて、パフォーマンスと冒頭で触れたが、そもそもパフォーマンスとはどのような意味なのだろうか?
辞書には様々な意味が表記されているが、ここでは小林らの論文から引用して、以下のように定義づけを行った。
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パフォーマンスの定義
学校の授業や試験のような、集中して行う知的な作業を遂行すること

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よって本記事における「パフォーマンスの向上を促す」といった言葉は、
「DCGという比較的知的な作業を、高い水準で行えるように訓練する」という意味を示す。
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図1:本記事における,パフォーマンスの定義

また、「知的作業を、高い水準で行う」と言っても、あいまいでよくわからない。よって、筆者は以下のように追加定義を行う。
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本記事における、「知的作業を、高い水準で行う」の定義(特に、DCGにおける知的作業)
①自身のプレイミスを極限まで減らすなど、最善の手を行える基本的な力
②相手の次の行動及び、心理状態を読む先読み能力
③長時間の対戦であろうとも、集中力を切らさずに一定のプレイができる持続力
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以上。

つまり「パフォーマンスの向上」とは
①プレイミスを少なくするなど、そもそものプレイの質を上げて
相手の次の行動や心理状態を読んだうえで行動できるようになって
集中力を切らさずにプレイできる

以上のようになるように訓練する事を本記事では示す。

本記事では、この中でも集中力について詳しく解説を行う。(他の2つは,後日別に記事を上げます。)
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図2:パフォーマンスの向上の定義 今回は集中力

参考文献

メンタルパフォーマンスと生体リズム 著 小林 登(2009)




~2章 集中力の定義づけ~
さて、先に上げた「パフォーマンスの向上」の中でも、今回は特に集中力の詳しい解説を行う。
理由は以下のとおり

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~集中力を特に取り上げる理由~
① 「プレイの質を上げる事」や「相手のプレイや心理状態を読む」事は、具体的な練習をするしか基本的に無い。しかも環境によってカードプレイの内容が変化するため、恒常的な解説がしにくいと筆者は判断した。

② 一方で「集中力」の向上は、どの様な時にでも、もっと広げれば日常生活でも役にたつ要素であるはず。よって恒常的に使える内容であり、くわしく取り上げる価値があると判断した。
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図3:集中力を鍛えよう

で、集中力と言う言葉は曖昧なので、またまた定義づけを行う。
じつは「集中力」というワード、精神医学的にきちんとした定義がなされていないそうだ。
よって近い言葉の「注意」を参考に、以下の様に定義する。
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集中力の定義
ある物事に対して、注意を向けられる力持続時間もこれに含まれる。

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もっと簡単に言えば、「1つの物事を持続して行える力」と言えるだろう。


そして基本的に、集中力が上がるとパフォーマンスは向上する。検索すれば、嫌というほど記事や論文が見つかるので,興味がある人は検索してほしい。
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図4:集中力の定義

さて、人の集中力は30分~最大90分が限界であると世間一般的に言われている。
(※筆者は「そもそも、30分も集中できないんだけど・・・( ;∀;)」ってなっていますが・・・)

まあそれは横に一旦横に置いてだ。集中する時間長ければ長いほど集中度合い大きければ大きいほど良いのは、当たり前の発想である。
よって「集中力を高めることは大切」であるといえるはず。

では、集中力の向上には、何が関係しているのだろうか?次の章で取り上げる。

【2章のまとめ画像】
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図5:2章のまとめ 集中力とは?

参考文献
「集中力」を高める学習環境の設定について 著 中村 美和

教室環境の質が児童の体調と集中力に与える影響に関する実態調査 著 柳井 悠希(2012)



~3章 集中力を向上させる要素~
3-1:集中力を向上させる要素の分類
2章で話した通り、具体的な方法を話す前に、集中力を向上させる要因を整理する。
例えば、「眠たい時」や「周囲でうるさい音がしている時」などに、集中力が落ちたことは無いだろうか?
つまり、例で挙げた「睡眠」や「環境音」などは、パフォーマンス向上のために考えるべき要因だと言える。


ここでは、先ほど述べた小林らの論説に加えて、筆者の考えを織り交ぜて、以下のように要因を分類した
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内的要因【プレイを行う本人に関係する要因】
上位重要度高)~
心的状況(イライラしている、動揺するなどすると集中力低下したりしません?)
下位①より落ちるが重要)~
②疲労度(睡眠時間など)
③脳への栄養や、酸素供給(空腹度など)
④時間帯(夜のほうが集中できる人とかいますよね?)
⑤作業時間(長時間作業をすると、疲れて集中できなくなったりしますよね?)


外的要因【外から加わる影響 内的要因に影響することもある】
5感に対する影響(音やにおいなど)
②場所(実家のほうが安心できる、初めての場所は緊張するなど)
③周囲にいる人(家族は緊張しないけど、初対面は緊張する。大勢に注目されるとダメとか)
④機材の影響(スマホ、PCなど。使いにくいマウスとか集中力低下しますよね?)
⑤メリットとデメリット(この試合に負けるとお金がもらえないなどの原因で、緊張する)
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以上大分類2個小分類は10個に分類した。
なお本編では,内的要因及び外的要因から、重要だと筆者が考えた要素を1つづつを取り上げる。(あまりにも量が多すぎたため)
【そこまで重要ではないと思った部分は、おまけに載せていますのでご安心を。】

※この3章は、整理した要因の詳しい説明をするだけです。「具体的にどうするねん!」的な話はpart2で行いますのでご了承ください。

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図6:集中力に関係する要素のイメージ図

3-1-1 内的要因(プレイを行う本人に関係する要因)
①心的状況
めちゃくちゃ書くことがあったんですが今回は2つに絞りました

【動機づけの問題】

好きなことをするときは、集中できる」という話、聞いたことは無いだろうか?
逆に「嫌いなことをするとき、集中できない」という経験を皆さんお持ちかと思う。そして、「何かご褒美があるとやる気でる」みたいなことがきっと今までの人生の中で存在しているはずだ。


これは、心理学的用語でいう「動機づけ」が関係している。
動機づけは、人間が行動するための原動力、と思って頂けると分かりやすいはず。
岡田氏によれば、「動機づけ」は3つに分類される。簡単にいうと以下の様な感じ。
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非動機づけ→行動と結果との随伴性を認知しておらず活動にまったく動機づけられていない状態

外発的動機づけ→外部からの影響による動機づけ。お駄賃上げるから買い物行く、テストで低い点数を取って、恥をかきたくないから勉強するなど

内発的動機づけ→活動それ自体を目的として,「興味」や「楽しさ」などの感情から自発的に行動す る動機づけ。(例:ゲームが楽しいからやる)
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以上。外発的動機づけは更に細かく分類されるが、今回は重要ではないため割愛

で、物事を成し遂げる場合、「内発的動機づけ」の方が他の二つに比べて良いことが判明している。
好きこそものの上手なれ、ということだ。
だからと言って、「外発的動機づけ」をないがしろにしろと言っているわけでは無い。外発的動機づけであっても、集中力は増すからだ。

極論、何かしらの動機づけが上がり、結果集中力が向上すればそれでいいわけだ。

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図7:やる気ないから,集中力切れちゃったよ・・・

参考文献
メンタルパフォーマンスと生体リズム 著 小林 登(2009)

自己決定理論における動機づけ概念間の関連性ーメタ分析による相関係数の統合 著 岡田 涼(2010)


【不安やストレスに関する問題】
イライラしている時や、他の事が気になってプレイに集中できない時集中力が低下する経験をお持ちのはずだ。

これは寺田らが行った、「看護学生に対する集中力とストレスの関連性」の研究で明らかにされている。
ストレス】を感じている学生ほど、【授業に集中できなくなる】ことが証明されている。また、【悩み事があって集中できない】学生は、ストレスを感じやすいことも分かっている。つまり【不安】も集中力に関わるのだ。
これは何も看護学生に限った話ではなく、一般人に対しても同じような傾向がある


また、「不安(ストレス)と集中力には、山形の関係がある」傾向にあることが判明している。不安が大きすぎても小さすぎてもだめで、適性なポイントがあるのだ。(図8)
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図8:縦軸が達成感になっていますが、集中力を縦にとっても同じ傾向が見えます 
ヤーキース・ドットソンの法則グラフ ※東京都労働センターより転載

以上の2つを組み合わせれば、以下のことが言えるはず。
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ストレス抱えすぎると、パフォーマンスが落ちる
不安は、パフォーマンス向上にも低下にも関係している不安とストレスは関連性があるため、ストレスなさ過ぎても、多すぎても集中力が落ちる
・よって、自分にとって最も良いストレス度合いを見つけることがとても大事

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図8:集中力とストレスは,関係がある 適切なポイントを見つけるべし

内的要因は以上

では、「動機づけの向上」や「ストレスや不安を適正状態に持っていく」ために,具体的にどうすれば良いのだろうか?


参考文献
看護学生におけるストレスによる学習への影響 著 寺田 裕樹  (2011)

ヤーキース・ドットソンの法則


3-1-2 外的要因(プレイを行う本人以外に関係する要因)
①5感に対する影響(音やにおいなど)
人は基本的に、5感を通じて情報を受け取る。よって周囲からの刺激が強いと、おのずと脳のリソースが情報取得のために割かれる
そして、普段受けない刺激に対して、人は意識をそちらに持っていかれる傾向にある。結果として集中力が低下する。(大きな音やキツイにおいなど)
以外なことに,作業用BGM等であっても集中力が削がれるそうだ。(※試合前の緊張をほぐすための音楽は非常に有効だが、試合で集中するべき場面では無音のほうが良いらしいです。あくまで傾向ですが。)

かと言って,試合をする環境が快適な状況であるとは一切言えないはずだ。よって、プレイする環境がどのような状況なのかを判断し、「集中すべき環境に慣れることは重要だ。
(例:この前の西RAGE、汗臭さが半端なかったです。なのでこれに慣れる事が必要だと筆者は思いました)

では、「周囲の環境」に左右されず,集中力を保つためには,具体的にどうすれば良いのだろうか?
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図9:感覚器官と集中力

参考文献(今回は,音に関係する論文を集めてみました)

音の種類は,集中力に影響するか 著 島貫 陽平

音楽がスポーツ・パフォーマンスに与える影響 著 小関 晃典

集中維持機能(TAF)に関す る研究(V) 著 高桑 栄松(1965)


ー3章まとめー
・集中には,内的要因と外的要因に分かれる
●内的要因
・動機づけ,つまりやる気を引き出すことは,非常に大切。
・内発的動機づけのほうが,外発的動機づけよりも良いやる気となる。
・外発的動機づけも重要。
・ストレスの低減は,集中力の上昇に関係する。

●外的要因
・周囲の環境から受ける情報によって,集中力が削がれる場合がある。その周囲の情報に惑わされず,以下に集中力を保つのかが課題。

2章と3章のまとめ画像

~2章~
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~3章~
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理論編は以上 part2の実践編に続く・・・


次→part2リンク


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